女教師たちの世界一周 ——小公女セーラからブラック・フェミニズムまで

まえがきが最高。著者は1980年代には公立中学で先生をしていたのだけど、そこで「わきまえない女教師」に出会う。このエピソードがかっこいい。周囲をフィジカルな力で支配することの愚。それとは真逆のアプローチをとった女性の先輩の「女教師ぶり」に心底…

サリンジャーと過ごした日々

週末なんとなくおしゃれできれいな映画を見たい気分で、好きなラジオパーソナリティーが『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』という作品について話していて、それで見に行ったらトキメキ感が最高で気に入った。それの原作本が、『サリンジャーと過ごした日々…

三つ編み

三つ編み 2019年の夏、名古屋では「あいちトリエンナーレ」という芸術祭が開催されていた。開催初日に行きたかったんだけど、ちょっと抜けられない所用があって行けなくて、でも絶対これは早くいかないと見れなくなると思った企画展があって、昼休憩中にスマ…

丸刈りにされた女たち

丸刈りにされた女たち――「ドイツ兵の恋人」の戦後を辿る旅 (岩波現代全書) もう十年弱くらい前、偶然名古屋駅前のジュンク堂の書棚で見つけて、近くのカフェに入って読み始めたら、知らない事実ばかりに驚きつつ、その語り口が丁寧で登場人物へのリスペクト…

あの図書館の彼女たち

あの図書館の彼女たち 1939年パリ。アメリカ図書館の司書になった20歳のオディールが、快活で小気味よい。本が大好きなのが分かるし、同僚や利用者と信頼関係を築いていく様子がすてき。仕事にこんなに楽しく一生懸命打ち込めるのはうらやましい。そしてナチ…